ライスで

ひねもすのたりのたりかな

すべて砂糖で煮詰めるの

母は「ジャムおばさん」で、庭先の果実をとってはよく煮詰めています。時期によっては毎晩キッチンに立ち、家事をしながら焦げ付かないようにと鍋をかき回しているのです。

家で作ったジャムは防腐剤も入れず、果実と砂糖の甘さのみ。定番のイチゴに、少し酸っぱいあんず、真夏の収穫が大変なブルーベリーに、綺麗なオレンジ色のびわ、冬の柚子は甘みをおさえた大人の味です。

結婚する前は、私も興味本位で手伝い、鍋をかき回しました。夜、グツグツ煮えたぎる鍋を見つめていると、自分のドロドロした思いも溶けていくような感じさえします。

それでいて全て甘くなるのだから。

 

結婚して、子供も産まれ、鍋をかき回す時間が惜しい今では、母のジャム作りを手伝うこともなく、ただ出来上がって瓶に詰められたジャムをもらうだけです。

母は仕事を辞め、昔より時間もあるようで、煮詰める時間が惜しくないと言います。

 

それを聞いて、私は時間の使い方を羨ましく思うのでした。